平成28年5月14日(土)
Tサークル交流会 大人の社会科見学「氷川丸と海外移住資料館」
今回で2回目となった「大人の社会科見学」。普段の勉強会や模擬授業とは違って、様々な施設や博物館に実際に訪問することで、参加者と共に実体験に基づいた学びを深めていく活動を行っています。
今回は、神奈川県横浜市にある氷川丸と海外移住資料館で行われ7名の方が参加しました。
氷川丸は、1930年に太平洋横断シアトル航路へ就航した当時を代表する高速貨客船。喜劇王チャップリンも乗船し、第二次大戦中は海軍の病院船として活躍しました。今は一般公開され、アールデコ様式の一等食堂や、喫煙室、特別室などが見学できるほか、氷川丸をはじめ日本郵船の歴史が学べる資料館となっています。今回はガイドの方のお話しを伺いながら、当時の氷川丸の様子やその役割など普段では知ることのできない氷川丸の全貌を事細かに知る貴重な機会になりました。今年から国の重要文化財として指定されることもあり、今後更に注目される場所です。
夕方から伺った海外移住資料館は、JICA横浜の内部に併設された資料館で、1866年から100年以上にわたる日本人の海外移住についての歴史を学べる場所です。こちらもガイドの方のお話しを伺いながら、ハワイのホノルルは日本の移住者が作った話や、ペルーやボリビアをはじめ南米の広大な土地を日本人が開拓していった話を伺いました。また、その話の中には日系人としての差別との戦いもあったこと、戦時中は日本人の血が流れていてもアメリカ人として戦争に赴いたことなど、日本の歴史の表面には映し出されない海外に於ける日本人の姿を学ぶことができました。
見学後はこちらの建物に併設されているポートテラスカフェで懇親会を行い、ブラジルや東南アジアの料理に舌鼓を打ちながら参加者の皆さんと会話を楽しみ親睦を深めることができました。
以下参加者の感想
○氷川丸に行ってみたかったのでよかったです。どうして氷川丸がこんなにシンボルとして大切にされているのかわからなかったのですが、中に入ってみてガイドさんに説明までしてもらえて、氷川丸がどうして大事にされているのかわかって良かったです。JICAの施設では、日本から海外へ行った人たちの当時の背景などが知ることができ良かったです。今までいろんな外国籍の子を見てきましたが異なる文化の人同士で、お互いを理解し、受容し合えたらいいなと思いました。
○当時の粋を集めた氷川丸で渡航する人々がいた一方で、貧困から抜け出すため移住する人もいたという移民の歴史の明暗を見た気がします。
○日本が海外へ移住、船に乗って・・・という視点で学び、日本人は昔から真面目で、人と協力して生きていく精神があるんだなと感じました。氷川丸のアールデコが綺麗でした。JICAでの移住資料館で学んだアリアンサ地(移住した国で、日本人が一緒に働いてお金をつくっていく協同体)が特に勉強になりました。
○氷川丸もそうですが移住資料館が印象的でした。農村移民がここまで多くいたことに驚きです。だからこそ日系2世、3世がいることにつながりました。」「横浜に住んでおり、神奈川(横須賀)生まれ、育ちですが、氷川丸やJICAの資料館に初めて来ました。大変勉強になりました。
次回の大人の社会科見学は8月です。日時の詳細は、後日メールなどでお伝えします。